3月4日、中国自動車流通協会が開催した2018年度中国自動車保証率報告発表会が中国科学技術会堂で開かれ、2018年の中国自動車保証率について深い解説が行われた。 2018年の自動車新車取引市場はここ28年で初めて「マイナス成長」を迎え、年間の生産販売台数はそれぞれ2352.9万台と2371.0万台で、前年同期比の減少幅はそれぞれ5.2%と4.1%であった。新車市場の傾向とは裏腹に、中古車市場は持続的な成長を示している。中国自動車流通協会のデータによると、2018年の全国中古車の累積取引は1382.19万台で、累計で前年同期比11.46%増加した。2018年の累計取引額は8603.57億元で、前年同期比6.31%増加した。 中古車市場の成長には、ビッグデータ技術の助けが欠かせず、特により透明な価格とはっきりした車両状況が挙げられる。価値保持率の研究は、中古車取引にサービスを提供するだけでなく、市場でよく見られる車種の製品力、ブランド力及びマーケティング戦略に対して客観的な反映を形成し、自動車ブランドが製品の市場パフォーマンスに対して診断と分析を行うのに役立つ。 2018年通年の新車販売台数は減少したが、中古車取引量は依然として2桁の増加を記録した。新車市場は中古車市場に直接影響を及ぼさないが、両者の間には潜在的な関連性がある。例えば2018年のディーラーの在庫高により、値下げ幅がますます大きくなり、中古車の価値維持に間接的に影響した。 データからわかるように、市場競争の激しいコンパクトカー市場、中型車市場及びコンパクトSUV市場では、1年の車齢の保証率は75%~80%の間に低下している；市場が飽和していない中大型SUV市場やMPV市場では、1年の車齢保証率が83%を超える。 2019年は何が変わるのでしょうか？多くのメーカーは2018年末に生産能力を自主的に調整し始めているため、2019年の新車の生産と販売がともに減少すれば、2019年は価値維持率が減少から上昇に転じるターニングポイントになると予想される。 具体的には、1年の車齢保証率は新車市場に大きく影響される。車齢が高くなるにつれて、製品力、ブランド力などの他の要素が優勢になり、価値保持率に影響を与えることになる。5年の車齢保持率の数字を見ると、中型車以上のクラスは明らかに1段階上昇しており、下位クラスのモデルより2ポイント高くなっており、この差は製品力の表れといえる。 そのため消費者は中型車以上の中古車を購入することを推奨し、これらの車種は制造時のコスト、品質、安全性のいずれも1級上で、お値打ち感がある。小型車、コンパクトカー、およびMPVは、ニーズに対応するためのエントリーモデルにすぎません。 報告書を詳しく分析すると、小型車は新車市場ではすでに非常に弱いが、中古車市場では違う。中古車市場ではまだアマツバメ、ポロといった古い製品が流通しており、保証率はまだ高い。小型車はやはり価格が安いので、一概に「消費のアップグレード」や「消費のダウングレード」とは言えず、市場が分化していると言うべきで、ハイエンドの需要もローエンドの需要もある。中古車は同じ新車よりも低価格であることが、消費者がそれを選択する第一の理由であるという基本的なコンセンサスは依然として変わらない。 コンパクトカーは、乗用車市場全体の中でシェアが大きく、メーカー間競争が最も激しいセグメントである。価値維持率では、ホンダ、トヨタ、VWがトップ10をほぼ独占した。自社ブランドの勢いが弱く、このセグメントでは「ベテラン」だけが上位に逸動している。これも長城などのメーカーがSUVに軸足を置いているからだ。 中古車価格は需要と供給の関係を表す。中型車市場の中古車消費者の多様化、いくつかの追求ブランド、ベンツCクラス;一部は個性を追求し、シャープ、CCを選ぶ、実用志向のものもあり、アコード、マイテンを選ぶ。これらの車種の保証率が上位に入るのは、需要が多いことの表れである。 中大型車市場は高級ブランドが中心。BMW5シリーズ、ベンツEクラスの国産バージョンと輸入バージョンが同時にトップ10入りした。この現象は、ブランド力と製品力が中古車価格に影響を与える主な要因であるという結論を裏付けるものでもある。ブランド力がなければ、高い価格を維持することは難しい。 SUVセグメントを見てみると、小型SUVは近年シェアを落としており、移行製品と見ることもできるほどだ。一方の産業では、現在、小型SUVが拡大したり、車体を下げたりして、他の細分市場に接近している、一方でユーザーの乗り換えサイクルが短いため、小型SUVはすぐに需要を満たせなくなってしまう。どちらの観点からも、移行製品と見なすことができます。価値維持率トップ10のうち、自社ブランドが半分を占めている。 コンパクトSUVというセグメントはプレーヤーが多いが、保証率トップはCR-Vがしっかりと占めており、かつそのリード幅が大きい。日韓ブランドは全体的にリードして、優勢は非常に明らかで、同時に自主ブランドの哈弗、広汽伝祺も私達に自信をもたらしてくれます。 高い保証率は、消費者が哈弗と伝祺の製品を認めていることを示す肯定的な市場からのフィードバックである。 中型SUVの価値維持率が高いモデルには、ラグジュアリーであるか、実用的であるかの2つの特徴がある。製品は、どのような点においても、市場で評価されています。例えば、ハイランダー、シャープ界、ソレント、別のカテゴリーの豪華路線のポルシェ、BMW、ジープ、レクサスにはそれぞれファンがいる。製品の価値が維持されることは、販売量に直接関係しません。 市場には中大型SUVモデルが少なく、このクラスを生産できるメーカーは多くない。中古車市場で中大型SUVの取引量が少ない原因は、主に車源供給の問題である。消費者が車を買い換える過程は低から高へと進むことが多いため、中・大型SUVの既存オーナーには買い換えるインセンティブがなく、次にどの車種に乗り換えるのか想像がつきにくい。 世界的な観点から見ると、同じ国のブランドは、製品の技術路線が似ている場合が多いが、市場戦略が異なるため、価値維持率のパフォーマンスが異なる。価値保持率は通常ブランド価値を表すものであるが、一部の高級ブランドの価値保持率は、同じ国の一般的なブランドに比べて著しく低いことがデータから明らかになった。 例えば、アウディブランドの価値維持率がVWブランドより低い、インフィニティブランドの維持率は日産、トヨタなどの日系ブランドより低い；DSブランドの価値維持率もシトロエンブランドより低い。だから自動車業界では、「いかにブランドを形成するか」が世界的な難題となっている。 そして、主流の新エネ車の価値維持率に焦点を当てると、2018年、中国国内の新エネ車保有台数は261万台に達し、このうち半分がここ1年の販売台数であるため、買い替え期に入った新エネ車の台数は少ない。発売が早かった新エネルギー車の一部は、価値維持率に失望させられた。 テスラが価値を維持している理由は主にブランド要素であり、さらには「テスラ車の所有者」というソーシャルタグも含まれており、これは他のブランドでは真似しがたい。それ以外では、プラグインハイブリッドモデルの価値維持率は純正電気自動車モデルよりも明らかに高い。 保証率は新しい概念ではないが、中古車市場の成長に伴い、保証率という概念が重要視されるようになってきた。保証率の研究は現在まで発展し、一部の業者や消費者の中古車価格に対する疑惑を解決してきたが、まだ限界が残っている。同時に、自動車流通業界は「インターネットプラス」に伴って急速に進化しており、価値維持率研究にも新たな要求が出されている。 従来の価値保持率研究は「後知恵」であり、データの集計周期上の遅れがある一方で、新車の発売に対する反応が遅れすぎている。この限界は、新エネ車ではより顕著に現れている：メーカーは中古車取引時に保証率を知る必要があるのではなく、新車発売当初から車両の残価を見積もる必要がある。それに伴うレポ政策、リース価格などは、保証率の研究に指導性、先見性を持たせる必要がある。 一方、ガソリン車保証率の研究は新車発売の取り組みと結びついていない。例えば、新型車のモデルチェンジは、発売当初に価値維持率の研究が不足していると、価格設定が高くなり、旧車の価値が下がるなどの一連の潜在的なリスクをもたらす。したがって、維持率研究のサイクルは年次、四半期、月次ではなく、新車が発売されるサイクルに紐付けられている。 また、従来の価値保持率の研究は、中古車を買ったり売ったりするときに初めて価格を決定するという取引の段階にとどまっていた。実は、車両所有権が変化しない場合の価値変動も、保証率研究の範疇である。 2019年を展望すると、メーカーや金融機関は価値維持率の研究をますます重視しており、これまでディーラーや第三者評価機関だけが推進してきたよりも、研究成果の定着促進に役立つだろう。同時に、2019年のモビリティ市場の成長に伴い、価値維持率の研究もその応用シーンを広げることが予想される。